社会に果たす役割
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加齢とともに体が弱り、怪我や病気をしやすくなる高齢者にとって、介護と医療は必要不可欠ですが、人材不足が慢性化すると一人一人の仕事量が増え、さまざまなリスクが増加していきます。勤務時間が長くなり、肉体的・精神的な負担がたまることから、ミスが起きやすくなるほか、過労や精神障害など多くの弊害が発生。業界の問題にとどまらず、日本における社会福祉の質が低下することにつながります。それだけ社会の中で果たす役割が大きく、必要とされる職業といえるでしょう。
人生の大先輩から学ぶ
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高齢者は介護・看護スタッフよりも長く生きている人生の先輩です。仕事や結婚・出産・子育て、死別、病気、戦争などさまざまな困難を乗り越えてきた高齢者と会話をすることで、多くを学ぶことができ自分自身の人生にもプラスになります。また、経験豊富だからこそ、現役世代と比べ些細なことに動じない大らかさ・優しさを持っている人が多く、接するスタッフも心に余裕を持つことができます。
高齢者の夢をかなえる
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介護・看護の仕事は、単におむつの取り替えや食事・着替えの手伝い、怪我や病気の治療など「高齢者のお世話」をするだけのものではありません。介護を通し高齢者の自立を助けることは、本人の願いをかなえることにつながります。例えば「孫と旅行に行きたい」という夢を持っている利用者のため、手芸や歌などのレクリエーションを行い頭と肺を鍛えるほか、理学療法士が付いて歩行訓練をするプランを練り、きめ細かく支援。高齢者が自立していく姿を間近で見ることができます。本人がくじけそうになったら励まし、夢の実現を共に喜び、感謝される。人と人とのあたたかい触れ合いを感じることができる仕事です。
日々感謝される仕事
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最初は暗い表情だった利用者や家族が笑顔になっていく姿を見たり、思い通りの終末期を送る手助けができたりと、社会の役に立っている実感を得やすい職業です。できなかったことができるようになる。そのかけがえのない感動を共に味わえる仕事は、なかなかほかにありません。
人間重視の施設で働く
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社会福祉業界における人材不足の背景にあるのは、成長産業で利益のみを追求し事業展開する企業の存在です。しかしながら、小規模でも地域に密着し利用者一人一人の幸福を考えた介護を行う施設や、全国展開し質の高いサービスを提供している企業もあります。利益重視ではなく人間重視の経営を行う職場で働くことで、自分らしく活躍することができます。
長時間労働ができない人は、日中だけ営業しているデイサービスに勤務すれば、基本的に夜勤はありません。一方、給与を重視する人は積極的に夜勤をすることもでき、実は働きやすく自由がききやすい職種です。子育て中の女性のためにパートタイムで募集する職場も多いほか、夏休み期間は子どもを連れて勤務するケースも珍しくありません。
性別・年齢にかかわらず活躍
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社会福祉分野はもともと女性が多く、性別がキャリアアップ・ステップアップの障害となることはありません。だからといって男性が活躍できないということではなく、女性スタッフが多い分、体力を使う仕事や男性利用者の介護などで男性も重宝されます。年齢も高等学校・専門学校を卒業したばかりの10代から、定年後の60代・70代までと幅広く、キャリアも多様です。学歴やキャリアなど異なるバックグラウンドを持つ人がおり、各自の強みを生かし活躍しています。
転職をする際も、介護・看護の仕事は人が生活している場所であれば、都市・地方にかかわらずどこにでもあります。働き方も、正職員、パート、派遣、ダブルワークなど、自分の都合に合わせて選びやすいため、生活の変化にも対応できリスクが低いことがメリットの一つです。